大アルカナ解説

16. 塔(タワー)タロットカードの意味と象徴の解説

16. 塔/THE TOWER(タワー)タロットカードの意味と象徴の解説

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タロットカード 大アルカナ『16. 塔/THE TOWER(タワー)』の解説です。

※キーワードを知りたい方は『16. 塔(タワー)のキーワード・意味 100種類 一覧表』をご覧ください。

ウエイト版タロットカードをお持ちの方は、ご自身のカードを見ながら解説をお読みいただく事をオススメします。

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16. 塔(タワー)に描かれている内容

崖の上にそびえ立つ塔に雷が落ち、その衝撃で塔の上の王冠が飛ばされています。

窓からは炎が上がり、崩壊していく塔の様子と、外へ投げ出された男女の姿が描かれています。
塔の周りには、ヨッドの形をした火の粉が舞っています。

寓意・象徴の意味と解釈

塔(タワー)のタロットカード 【意味と象徴を徹底解説】
左が元のカード、右の番号が下記のシンボルです。
※解説の都合上、同じ番号が複数あります。

1. 塔

この塔は、旧約聖書に出てくる『バベルの塔』と言われています。

バベルの塔は、旧約聖書の『創世記』中に登場する巨大な塔。

正確には『バベルの塔』という表現は聖書には現れず、”the city and its tower”もしくは”the city” と表される。バベルはアッカド語では神の門を表す。一方聖書によるとバベルはヘブライ語のbalal(ごちゃまぜ)から来ているとされる。

バベルの塔 – Wikipediaより引用

この塔は建築物としての塔では無く、積み上げてきたモノを意味しています。

さらに、3つの四角の窓から炎が上がっています。これは、3番の女帝、4番の皇帝のカードとも関連づけることができ、顕在化されているモノと捉える事ができます。

また、塔は崖の上に立っている事から、危険やリスクを承知の上で、もしくは適正(正しい)とは言えない方法で積み上げられている事を暗示しています。

例えばそれは、何らかの悪事そのものかもしれませんし、驕りや自惚れ、傲慢と言った心の方向かもしれません。

2. 雷(稲妻)

雷(稲妻)は、天(神)の意志、天(神)の力とされ、自分の意志とは無関係に起こるアクシデントを意味します。そしてそれは、突然やってきます。

さらに、この雷(稲妻)は、積み上げてきた『塔』を崩壊させる、一方的で強烈なエネルギーです。

実際のリーディングも上記の意味そのままに、自分が積み上げてきたモノが、突然のアクシデント、予想外の出来事などで壊されると考えれば良いでしょう。

塔に描かれている三つの窓と稲妻から『聖バルバラ』を連想する事もできます。

三つの窓はキリスト教においての三位一体、天からの雷はキリスト教を信仰する娘のバルバラを拷問した父を打ったとされる稲妻。

3. 王冠

王冠は地位や名誉、財産と言った現実的な物質と価値観を表し、自分自身の考え方や行動の根本原理であるとも言えます。

王冠が雷によって弾き飛ばされている様子は、積み上げてきた塔の崩壊とともに、あなたの根本原理が飛ばされると言うことです。すなわち、自分の価値観や考え方、行動指針の崩壊を意味します。

4. 塔から落ちていく男女

この男女は塔から投げ出されたのでしょうか?
それとも崩れゆく塔から、自ら飛び降りたのでしょうか?
二人が落ちていく原因はわかりませんが、塔の外にいる以上、二人の存在は誰の目にもあきらかです。

この二人の様子は、転落、失墜、逃避などを表すとともに、隠し事が表面化(顕在化)する事を意味しています。恋愛について占った場合は、不倫や浮気などがバレてしまう事を暗示します。

余談ですが、左の赤いローブをまとった男性が1番の魔術師を、右の冠をかぶった女性を2番の女教皇と見る場合もあるようです。

ただ、僕は上記の考え方にはあまり賛同できず、左の男性を4番の皇帝(男性性)、右の女性を2番の女教皇と3番の女帝を足した『女性性』として見ています。(タロットカードは女性性を、『女教皇』と『女帝』のカードで分けています。)

塔から落下するこの二人は、複数の古代都市に王権を持つ、『ニムロドとその妻(もしくは家臣)』とも考えられます。

バベルの塔の建設を命じたニムロドは狩人の英雄であり、その名前はヘブライ語で『我等は叛逆する』を意味します。

ちなみに彼のひいおじいちゃんは箱舟で有名なノアだったりします。

5. 火の粉

この火の粉は、ヨッドと呼ばれるヘブライ文字の形をしており、神の手、神の指を示唆しています。

赤色のローブを着た男性側に12個、雷の下に10個の火の粉(ヨッド)が舞っています。
合計すると22個の火の粉(ヨッド)となり、これはタロットカード大アルカナの22枚と同じ数字です。

また、10番の『運命の輪』と12番の『吊るされた男』でも説明した通り、10と12は完全体(完成形)を表す数字です。
※10は物質(十進数計算)を、12は天(自然の法則:暦や干支、星座)を表します。

神の手を示唆するヨッドが舞うことは、崩壊していく塔を表すカードの中で、唯一の希望なのかもしれません。崩壊の後には、また新しい始まりがある事を教えてくれているようです。

番号 16 について

『16』は『1+6』で『7』になります。挑戦や勝利を意味する7番の戦車が誤った力に頼る事で、今回のカード『塔』を招く事になります。

また、『10+6』『8+8』『9+7』など、色々な組み合わせができますが、そのどれもが正しい力の使い方、調和が必要だと言うことを教えてくれています。

『16』は、そういった数字の裏(逆)の意味を一手に担っているのかもしれません。

16. 塔(タワー)の考察

タロットカード大アルカナの『16番』、崩壊やアクシデントを表すカード。
読み方は、『タワー』もしくは『とう』。

一言でこのカードを表すなら『奢れるものは久しからず』でしょう。
78枚あるタロットカードの中で、もっともネガティブなカードでもあります。

正位置、逆位置で大きく意味が変わる事はありませんが、逆位置の場合は正位置よりも若干ネガティブな意味合いが弱まります。(まれに逆位置にポジティブ要素を含む解釈をする占い師さんもいるようです。)

書籍にも上記と同様に記載されている事が多く、ちょっと抽象的すぎて初心者には違いがわかりにくいかもしれません。

僕の場合、正位置ではネガティブな事象が起こるものとして捉え、逆位置では今すぐに対策を立てれば、ネガティブな事象をギリギリ回避できる、と言うような捉え方をベースとしています。

塔の逆位置は、カードの上部に崖がくることからリスクや危険が警報を鳴らし、崩壊に導く稲妻のアクシデントが足元に火をつけていると言うようなイメージを持っています。
ちなみに隠し事が表面化するのは、逆位置でも同じです。

ただ、正位置の場合は大きな衝撃で現状を破壊する力がある為、その時は大きなダメージをくらいますが、その後すぐに次へと進む事ができるイメージです。
それに比べ逆位置は、なかなか破壊、崩壊まで行かないので中途半端な状況が長期化するイメージがあります。

例としては完全に壊れた物(例えば家電製品)は、買い替えるしか方法はありませんが、致命的な壊れ方をしていない物は、まだ使い続けますよね。
場合によっては、いっそ壊れてくれた方が買い替えができて良いのに・・・と言う場合もあると思います。

正位置と逆位置の違いとして、こういう読み方も知っておけばリーディングしやすいかと思います。

余談ですが、僕は長年タロット占いをやっていますが、この『塔』のカードが直接、結果や未来を表す位置に出現した事は数回しかありません。

ただ、その数回にあたった相談者様は、塔のカードに相応しい結果となっている為、かなり警戒しているカードです。

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16. 塔(タワー)の正位置のキーワード

予期しないアクシデント、まさかの出来事、避けられないトラブル、出る杭は打たれる、プライド・価値観が崩れる、隠し事の表面化、突然の別れ、ハプニング、崩壊、衝撃、破壊、逃避、傲慢、自惚れ、大ゲンカ、倒産、災害、事故、変化、など

恋愛で正位置が出た場合のリーディング例
・突然の別れ。
・不倫や浮気がばれてしまう。
・一方的に嫌われる。
・我慢の限界から大ゲンカ。
・不意に訪れる出来事から二人の関係が壊れる、など

仕事で正位置が出た場合のリーディング例
・突然の左遷、解雇、リストラ。
・予期しないトラブルから大事に発展してしまう。
・不正、悪事がばれる。
・地位や名誉の消失、倒産。
・企業買収、乗っ取りに合う、など。

16. 塔(タワー)の逆位置のキーワード

近づくトラブル、問題の放置、アクシデントに備える、今のやり方・考え方を改める、問題の長期化、隠しきれない秘密、リスクや危険が表面化、崩壊へのカウントダウン、状況の悪化、計画の立て直し、事後処理に悩む、緊迫状態、不幸、人災、不満、誤解、など

恋愛で逆位置が出た場合のリーディング例
・別れの予感、または進まない別れ話。
・軽率な行動で望まぬ展開に発展する。
・お互いに不満を持つ相手。
・同性愛など予期せぬ出来事。
・想いが伝わらず、悪い方向へと誤解される、など。

仕事で逆位置が出た場合のリーディング例
・問題が山積している。
・業績の悪化、倒産に近づく。
・問題はすぐに解決できない。
・隠しきれない問題、不正、秘密。
・トラブルの放置が大きな問題へと発展する、など。

以上、タロットカード大アルカナ『16. 塔/THE TOWER(タワー)』の解説でした。

もっとキーワードを知りたい方は『16. 塔(タワー)のキーワード・意味 100種類 一覧表』をご覧ください。

僕自身のオリジナルの解釈部分もあるので、書籍や他の占い師さんとは見解が違う場合があります。
また、占う内容や、カードの位置がどういう意味を持っているか、前後のカードとの関係により、リーディング内容も変化することを忘れないでください。

超簡単なフールズジャーニー(愚者の旅)

塔のカードは、正位置で崩壊、逆位置で崩壊の回避、または立て直しへと向かいます。

その後、希望の光は輝くのでしょうか。

次回は『17. 星/THE STAR(スター)』のカードです。

16. 塔(タワー)の解説動画

Youtubeでも『塔(タワー)』の解説をしています。
内容は基本的に同じです。

カード解説リンク一覧

大アルカナ

0.愚者1.魔術師2.女教皇3.女帝4.皇帝5.法王6.恋人7.戦車8.力9.隠者10.運命の輪11.正義12.吊るされた男13.死神14.節制15.悪魔16.塔17.星18.月19.太陽20.審判21.世界

小アルカナ

ワンド:ACE2345678910ペイジナイトクイーンキング

カップ:ACE2345678910ペイジナイトクイーンキング

ソード:ACE2345678910ペイジナイトクイーンキング

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