大アルカナ解説

15. 悪魔(デビル)タロットカードの意味と象徴の解説

15. 悪魔/THE DEVIL(デビル)タロットカードの意味と象徴の解説

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タロットカード 大アルカナ『15. 悪魔/THE DEVIL(デビル)』の解説です。

※キーワードだけを知りたい方は『15. 悪魔(デビル)のキーワード・意味 100種類 一覧表』をご覧ください。

ウエイト版タロットカードをお持ちの方は、ご自身のカードを見ながら解説をお読みいただく事をオススメします。

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15. 悪魔(デビル)に描かれている内容

山羊の頭を持った悪魔『バフォメット』が1組の男女を鎖で繋いでいます。

二人を縛る鎖は緩く、いつでも抜け出せそうに見えますが、角と尾を持つ男女は、自ら悪魔に寄り添い、逃げ出そうとは考えていません。

寓意・象徴の意味と解釈

悪魔(デビル)のタロットカード 【意味と象徴を徹底解説】
左が元のカード、右の番号が下記のシンボルです。
※解説の都合上、同じ番号が複数あります。

1. 悪魔

この悪魔の姿は、山羊の頭を持った悪魔『*バフォメット』と言われています。

バフォメット(Baphomet)は、有名なキリスト教の悪魔の一人で、黒ミサを司る、山羊の頭を持った悪魔。

雄の容貌でありながら、胸の膨らみがあるなど両性具有で黒山羊の頭と黒い翼をもつ姿で知られるようになり、魔女たちの崇拝対象となった。

19世紀にフランスの魔術師エリファス・レヴィが描いた絵『メンデスのバフォメット』が最も有名。

バフォメット – Wikipediaより引用

山羊の頭、蝙蝠の羽、獣の足を合わせ持つ姿は、さまざまな異質なものを合わせ、新しいものを生み出す錬金術(化学)を象徴しています。

前回の14番のカード、『TEMPERANCE/節制』は、完全なモノ同士を融合・調和させる事により、新しいものを生み出す事を意味していました。

しかし、15番の悪魔は、法や道徳など気にかけず、自己の知的探究心や欲求を満たす為なら、未完成や不完全なものであっても錬金術を行う事を意味するとともに、そういった快楽や欲望への誘惑に負けている(もしくは負ける)事を暗示しています。

この悪魔は天使が堕天した姿とも言われています。

一般的に堕天使と言えばルシファーですが、ここでは堕天使の烙印を押された四大天使のウリエルと考えるのが自然だと思います。

この悪魔をウリエルと捉える事で、大アルカナに四大天使(四元素)が揃います。

ウリエル – Wikipedia

2. 逆五芒星

悪魔の頭上に、五芒星(ペンタグラム)の上下を逆にしたものが描かれています。
逆五芒星は悪魔の象徴とされ、西洋では『デビルスター』と呼ばれています。

五芒星を人の形に見立てると、頭、両手、両足となりますが、逆五芒星の場合、頭が下となり生殖器の位置が頭より上にきます。

このことから、逆五芒星は理性よりも欲望が勝つと考えることがあり、力づくの行動に出たり、肉体的快楽に溺れる事を表します。

3. 右手にかかれたマーク

悪魔の右手の手のひらに、占星術の土星の象形文字が描かれています。
悪魔の手に土星のマーク
土星は『サターン』とも呼びますが、悪魔の『サタン』とは違います。
土星は『SATURN』、悪魔は『SATAN』です。

土星には、束縛、制限などの意味があり、忍耐や不運の星などと呼ばれています。

ここでは、誘惑に『束縛』され、身動きが取れないようなイメージを持てば良いかと思います。

実際には描かれていないのですが、アーサー・エドワード・ウエイトは、悪魔の胃のくぼみに水星のサインがあると説明しています。

マルセイユ版の悪魔のカードをベースに考察すると、ギリシャ神話のヘルメスとの関連が考えられます。

また、この右手を上げるポーズは5番の法王のカードと似ています。
法王と悪魔
構図も似ていますね。
5番の法王のカードは、神の教え(秩序や法)を二人の信者に説き、15番のカードは本能(欲求・欲望)に従えと囁きます。

少し強引ですが、5×3=15となる事から、5番の3人が神の教えを忘れた時の姿だと連想することもできます。

4. 左手のたいまつ

悪魔が持つたいまつの炎は『破壊的な欲求』を表します。

たいまつのWikipediaに記載されている『シンボルとしてのたいまつ』の項目には、『下を向いたたいまつは死を象徴し、一方、上を向いたたいまつは再生する炎の力を表し生の象徴であった。』と説明があります。

5. 悪魔が座る石

タロットカードに出てくる四角形は、基本的に正方形です。
しかし、この悪魔が座る椅子は正方形の半分の長方形となっており、ハーフキューブとも呼ばれています。

これは、目に映った物や感覚だけに頼ってしまい、本質を見抜く事や客観的な思考が欠けている様子を意味し、物事の側面しか見えていない事、不完全さを表しています。

6. 鎖に繋がれた男女

悪魔と男女を縛る鎖は緩く、いつでも悪魔の元から抜け出す事ができる状態です。
しかし、この二人は悪魔の元から逃げようとしていません。

これは、誘惑に負ける事や欲望に溺れる事の快楽から抜け出させない事を意味しています。

この鎖は男女を結んでいる事も意味しているので、腐れ縁とか切っても切れない関係のようにリーディングする事もできます。

また、この男女には角と尻尾があり、人間の持つ野性(本能)に支配されています。

そして、男性の尻尾には、欲求を意味する松明から火がつき、女性に手を差し向けています。女性の尻尾には、物欲を意味する果実が実っています。

これは、肉体的快楽を求めたり、金品などの物欲に溺れている事を意味しています。

恋人と悪魔
今回の悪魔のカードは、『恋人』のカードとも大きく関連します。
『恋人』に描かれている二人が、知恵の実を食べてしまったことで、快楽と欲望に溺れてしまった姿だと解釈されています。

『恋人』のカードが『選択』を示したように『悪魔』のカードも誘惑に染まるのか、抗うのかを選択する必要があるのかもしれません。

法王のカード以上に構図も似ていますね。

番号 15 について

『15. 悪魔(デビル)』の『15』は『1+5』で『6』になる事から、上記の説明と同様に『6.THE LOVERS/恋人』のカードとの関連性を示していると考えればOKです。

15. 悪魔(デビル)の考察

タロットカード大アルカナの『15番』、誘惑や欲望を表すカード。
読み方は、『デビル』もしくは『あくま』。

このカードは13番の死神と同様に、逆位置の解釈が占い師によって大きく変わります。

正位置、逆位置ともにネガティブな読み方をする占い師もいれば、逆位置は束縛からの解放や回復、理性が勝つなどのポジティブな読み方をする占い師もいます。
書籍によっても同様の違いがあります。

僕もタロットカードの勉強を始めた当初、『どっちやねん!』と思いました。

しかし、結論からと言うと、どっちの読み方もありです。
なんなら、カードの正位置逆位置の考えを採用していない占い師もいたりしますしね。

基本的には、逆位置の悪魔のカードを見て、アナタ自身がどう感じるか、どう捉えるかが大事だと思います。
プロの占い師が言ってるから、本に書いているから、と言う理由では無く、『私はこう思うから』でOKなのがタロット占いです。

ちなみに僕の場合、正位置は自分では良くない事と理解しつつ誘惑に負ける、逆位置は自分では良くない事と気付いていない状態、自分から良くないものを選択しているようなイメージでリーディングしています。
前後のカードとの関係によって、ポジティブに読むこともあります。

15. 悪魔(デビル)の正位置のキーワード

甘い誘惑に負ける、欲求・欲望に負ける、快楽に溺れる、頭ではわかっていてもやめられない、お金や物に執着する、肉体関係、堕落、束縛、拘束、誘惑、嫉妬心、野蛮、執着、など

恋愛で正位置が出た場合のリーディング例
・勘違いの恋。
・不倫や浮気から抜け出せない。
・快楽を求めあう関係。
・愛情よりもメリットデメリットを優先する。
・理性と行動が一致しない、など

仕事で正位置が出た場合のリーディング例
・仕事よりも遊びを優先する。
・本業よりも副業を優先する。
・手段を問わずに成果を求める。
・悪事に手を染めて(楽して)稼ごうとする。
・別の仕事に興味が出てくる(他人の仕事が良く見える)、など。

15. 悪魔(デビル)の逆位置のキーワード

依存している事に気づかない、周りが見えていない、悪事に加担している事に気づかない、自己中心的になる、力づくの行動、意地を張る、ミイラ取りがミイラになる、強欲、盲目、盲信、狭量、中毒、暴力、詐欺、逃走、解散、解放、リセット、覚醒、など。

恋愛で逆位置が出た場合のリーディング例
・恋に盲目になる。
・不倫・浮気相手に本気になる。
・ストーカー行為をする。
・嫉妬が膨らみ束縛する。
・恋愛がうまくいかない原因が自分にあると気付かない、など。

仕事で逆位置が出た場合のリーディング例
・家に帰っても仕事の事が頭から離れない。
・残業や休日出勤が多い。
・ブラック企業に染まってしまう。
・パワハラやセクハラをしている事に気づかない。
・嫌な事や辛い事からすぐに逃げ出す、など。

以上、タロットカード大アルカナ『15. 悪魔/THE DEVIL(デビル)』の解説でした。

もっとキーワードを知りたい方は『15. 悪魔(デビル)のキーワード・意味 100種類 一覧表』をご覧ください。

僕自身のオリジナルの解釈部分もあるので、書籍や他の占い師さんとは見解が違う場合があります。
また、占う内容や、カードの位置がどういう意味を持っているか、前後のカードとの関係により、リーディング内容も変化することを忘れないでください。

超簡単なフールズジャーニー(愚者の旅)

悪魔のカードは、正位置で誘惑に染まり、逆位置で破滅へと歩み始めます。

一度全てを壊してしまう必要がありそうです。

次回は『16. 塔/THE TOWER(タワー)』のカードです。

15. 悪魔(デビル)の解説動画

Youtubeでも『悪魔(デビル)』の解説をしています。
内容は基本的に同じです。

カード解説リンク一覧

大アルカナ

0.愚者1.魔術師2.女教皇3.女帝4.皇帝5.法王6.恋人7.戦車8.力9.隠者10.運命の輪11.正義12.吊るされた男13.死神14.節制15.悪魔16.塔17.星18.月19.太陽20.審判21.世界

小アルカナ

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