大アルカナ解説

2. 女教皇(ハイプリエステス)タロットカードの意味と象徴の解説

2. 女教皇/THE HIGH PRIESTESS(ハイプリエステス)タロットカードの意味と象徴の解説

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今回は、タロットカード 大アルカナ『2. 女教皇/THE HIGH PRIESTESS(ハイプリエステス)』の解説です。

※キーワードだけを知りたい方は『2.女教皇(ハイプリエステス)のキーワード・意味 100種類 一覧表』をご覧ください。

ウエイト版タロットカードをお持ちの方は、ご自身のカードを見ながら解説をお読みいただく事をオススメします。

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2. 女教皇(ハイプリエステス)に描かれている内容

黒と白の柱の向こうには海が広がっているように見えます。
しかし、その行く手を遮るかのようにTORAを手にした女教皇が座っています。
さらに彼女の後ろには宇宙の叡智が記された幕が垂れ下がっています。
柱の向こうへ進むには、女教皇の許しを得てから幕の後ろへ進む必要があるようです。

寓意・象徴(シンボル)の意味と解釈

THE HIGH PRIESTESS/女教皇
左が元のカード、右の番号が下記のシンボルです。
※解説の都合上、同じ番号が複数あります。

1. 女教皇

女司祭とも呼ばれるこのカードに描かれている女性は、ローマの*女教皇ヨハンナがモデルになったとも言われています。

女教皇ヨハンナは、中世の伝説で855年から858年まで在位したとされる女性のローマ教皇である。歴史家たちは、創作上の人物と考えている。それは、反教皇的な風刺を起源とし、その物語にいくらかの真実が含まれているために、ある程度の信憑性を持って受け入れられたと考えられる。

女教皇ヨハンナ – Wikipediaより引用

この女教皇は、青い服を身に纏っている事から処女懐胎した『処女マリア(聖母マリア)』にも対応していると考えられ、同じく処女のまま息子ホルスを産んだ女神イシスとも重ねられています。

女教皇は『処女性』を象徴しており、それは女性の秘密や神秘さ、純粋さとともに受容性(受け入れる事)を示しています。

ここでは、『素直に受け入れる姿勢』と『秘密』の2つの意味を押さえておくと良いでしょう。
ちなみに、ここで言う『秘密』は魔術師のカードで出てきた『隠し事』とはニュアンスが異なります。
女教皇の『秘密』は、『言う必要が無い事まで言わなくて良い』と言う意味で、嘘をついたり、隠すと言う意味ではありません。

2. 座っている姿

彼女は座っている姿で描かれていますが、これは『行動する事より考える事』を表しています。
その為、『一旦立ち止まって状況を整理する』『作戦を考える』などと言ったリーディングができます。

3. 月(三日月)

彼女が被る月の冠と足元の三日月は、*女神イシス=処女性の象徴だけでなく、『精神的な要素や潜在的な本能、真理』も表します。

4. 青い服

女教皇の項目でも記載しましたが青い服は*処女マリア(聖母マリア)の象徴です。
さらに、水の象徴の意味もあり、月と同じく『精神や潜在意識』を表します。

ちなみに、ここでの潜在意識とは、質問者の『願望や不安、迷い』を表している事が多いです。

聖母マリアは、イエス・キリスト(ナザレのイエス)の母、ナザレのヨセフの妻。ヨアキムとアンナの娘とされている。
「聖母(せいぼ)」はカトリック教会、聖公会で最も一般的称号である。おとめマリア、処女マリア、神の母マリアとも。

聖母マリア – Wikipediaより引用

5. 十字架

十字架の縦軸は『男性性』や『プラス』の意味合いがあり、横軸は『女性性』や『マイナス』の意味があります。

それぞれが『交わる事で1つの形』になる事、『新しく生まれるもの』がある事のメッセージで、『片側だけでなく両側を理解する』必要がある事を意味しています。

6. TORA

女教皇は手に『TORA(トーラ)』と呼ばれるユダヤ教の律法書を持っており、高い知識で理性的・論理的に物事を判断します。

また、このTORAの一部は服に隠れています。
これは、表面的な事や浅い知識で満足する者には、高次元の叡智を明かさない事を示しており、秘密や黙秘などを示しています。

今の状況から先に進む為だったり、自分の望みを叶える為には、『根拠や理論を元に判断する事』『冷静に、理性的に判断する事』が必要になり、そして論理的、理性的に判断するには『高い知識や技術の習得などによる自分自身のレベルアップ』が必要で、それらは『簡単に身につかない』事を意味してます。

そして、TORAの見えない部分にある『隠された真実』にも意識を向けるようにしてください。

7. 垂れ幕

女教皇の後ろには、その先の景色を隠すように一枚の幕が垂れ下がっています。
この幕にはナツメヤシ(シュロ)とザクロが書かれています。
ナツメヤシは男性器を表し、ザクロは女性器を表します。

ナツメヤシは『生命の樹』のモデルになった植物で、ザクロはその『生命の樹』の順番に並べられています。
これは『人類や宇宙の叡智、高度な知識や技術』を表しています。
ただ、そこに書かれている模様は女教皇が前に座っているため、一部しか見る事ができません。

これは、TORAと同じように、人類や宇宙の叡智、高度な知識や技術は『簡単に明かさない』事を意味しており、その『叡智を手に入れないと幕の向こう側へは行けない』事を表しています。

意味合いもTORAの時と同じく、この先へ進む為には『簡単に身につかない高い知識や技術の習得が必要』である事を助言しています。

『女教皇ヨハンナ』をモデルとし、『処女マリア』や『女神イシス』と関連する女教皇は、このザクロの象徴と組み合わせる事で『女神ペルセポネ』との関連も生まれます。

ペルセポネー – Wikipedia

8. 左右の柱

両端に描かれている柱は、エルサレム神殿のソロモン寺院にある柱です。

右のJと書かれた白い柱は『ヤキン(Jakin)』と呼ばれ、『能動性』を表し、『物事のプラス面』を強めます。『一般的に光(陽性)』を示します。

左のBと書かれた黒い柱は『ボアズ(Boaz)』と呼ばれ、『受動性』を表し、『行動の否定や惰性と言ったマイナス面』を強めます。『一般的に闇(陰性)』を示します。

白と黒の2つの柱は、対立しているように見えますが、『両極の二つ質が合わさる事で完全な調和を迎える』事を意味しています。
これは物事の側面だけを見るのではなく、『メリットやデメリット、プラス面マイナス面など、両側を見る事で本当の姿が見えてくる』事を告げています。

9. 幕や柱の後ろにある景色(海)

最後に柱と垂れ幕の後ろの景色ですが、わずかに見える隙間から海だと予想ができます。しかし、実際には垂れ幕と女教皇が景色を隠している為、『本当の景色はわかりません』。
ひょっとするとお城や町があるかもしれませんし、何もないかもしれません。

この後ろに広がるであろう景色は、質問者の考える『次のステージであったり、願望や不安などの潜在意識』を表しており、『努力次第で結果が変わる』事を意味しています。

番号 2 について

『2』の数字から連想するのは、『二面性』『二元論』『二項対立』『二律背反』などでしょうか。『二重人格』なんてのもありますね。

それぞれ、似ているようで意味が異なるのですが、僕自身はもっと単純に、『2つで1つ』とか『1セット』と捉えています。

ポイントはこれを、対立、相反するモノ、などと捉えずにシンプルに『組み合わせ』として捉える事です。

例えば『男性と女性』『正義と悪』などです。

これらの『組み合わせ』が対立するのか、協調するのか、ただ存在するだけなのか、占う内容と他のカードとの関連性で変化します。

小アルカナを含め『2』が出る時には、質問者を取り巻く状況や意識下(顕在・潜在を問わず)のどこかに『組み合わせ』があり、その『バランス』に関するメッセージがあります。

2. 女教皇(ハイプリエステス)の考察

タロットカード大アルカナの『2番』、知性と神秘を表すカード。
読み方は、『ハイプリエステス』もしくは『おんなきょうこう』。カードによっては、女司祭などとされる場合もあるようです。

この『女教皇』のカードは、シンボル(象徴)の意味合いがたくさんあります。
単純にシンボル(象徴)の意味だけを知りたい人の為に、簡単にまとめました。

女教皇:処女性(純真無垢、受容性、神秘・秘密)、門番、試練
座っている姿:行動よりも考える事
月(三日月):精神的な要素や潜在的な意識、真理
青い服:同じく精神的な要素や潜在的な意識
十字架:調和や協調によって生まれるモノ
TORA:知識、理性、原則、論理的な判断、秘密、黙秘
垂れ幕:宇宙や生命の創造など高度な知識や技術
左右の柱:能動性と受動性、それぞれの質の調和
幕や柱の後ろにある景色(海):次のステージ、願望や不安などの潜在意識

女教皇のカードは、たくさんの解釈要素がある為、質問の内容とカードの出現位置、その他のカードとの関係をきちんと見ながら、柔軟にリーディングを行う必要があります。

2. 女教皇(ハイプリエステス)の正位置のキーワード

知識や技術を求める、教養を身につける、理解を深める、受け入れる、規則を守る、正しい行い、理性に従う、論理的になる、自分自身に問いかける、一人で考える、精神的なつながり、隠れた真実、冷静、純粋、聡明、知性、調和など

恋愛で正位置が出た場合のリーディング例
・お互いの事を理解しあえる。
・二人だけの秘密の恋。
・純粋で誠実な恋愛(プラトニックラブ)。
・片思いで密かに思いを募らせる。
・気持ちは通じあっても交際にまで発展しない。
・相手に色々求めるのではなく、自分自身が受け入れる事、など。

仕事で正位置が出た場合のリーディング例
・研究や開発が活発になり新しい発見や製品が完成する。
・きちんとした手順やルールに基づいて行動する事。
・根拠を持った上で論理的に行動する事。
・身体よりも頭を使う仕事が向いている。
・新しい技術の開発や独自のノウハウは、オープンにしない事、など。

2. 女教皇(ハイプリエステス)の逆位置のキーワード

知性や教養が無い、批判的になる、自分の世界に固執する、精神的な余裕がなくなる、頭でっかちになる、不安が大きくなる、理解しようとしない、完璧主義、ルールを破る、常識から外れる、秘密を守れない、コンプレックスが強い、神経質、ヒステリック、冷酷、偏見を持つ、支離滅裂、誤解、見た目や上辺だけで判断する、人の意見を聞かない、人と関ろうとしない、良い所(悪い所)しか見ない、真実を見落とす。

恋愛で逆位置が出た場合のリーディング例
・高望みしすぎて相手がみつからない。
・恋に臆病になり疑い深くなる。
・二人の関係は冷め切っている。
・独身主義。
・潔癖すぎる恋愛観、など。

仕事で逆位置が出た場合のリーディング例
・自分の考えに固執しすぎてしまう。
・挑戦する前にあきらめてしまう。
・融通が利かず、物事が進まない。
・個人プレーに走りすぎて失敗してしまう。
・企業秘密や社内資料の流出に気を付けてる事、など。

以上、タロットカード 大アルカナ『2. 女教皇/THE HIGH PRIESTESS(ハイプリエステス)』の解説でした。

もっとキーワードを知りたい方は『2.女教皇(ハイプリエステス)のキーワード・意味 100種類 一覧表』をご覧ください。

僕自身のオリジナルの解釈部分もあるので、書籍や他の占い師さんとは見解が違う場合があります。
また、占う内容や、カードの位置がどういう意味を持っているか、前後のカードとの関係により、リーディング内容も変化することを忘れないでください。

余談

『女教皇』と『女帝』

女教皇と女帝
『2. 女教皇(ハイプリエステス)』と次の『3. 女帝(エンプレス)』のカードを並べてみました。

タロットカードは女性性を、この『女教皇』と次の『女帝』のカードで分けており、『女教皇』は純真無垢な処女性と理性を、『女帝』は愛される喜びや母性などの愛情面を表しています。
※女性性=受動的性質

女教皇のイメージとしては大人(母親)になる前の、まだ男性との関係を持っていない未婚の女性です。

真面目で潔癖な彼女は、常に冷静で理性的です。自己追及の為、他人とかかわらずに一人で知識や技術を追求します。もちろん、困難には知恵を持って臨みます。

超簡単なフールズジャーニー(愚者の旅)

女教皇のカードの正位置は、知識を蓄え理解を深める為に物事を素直に受容します。
しかし逆位置で、自分の世界に閉じこもり、閉鎖的になってしまいます。

理性や知性だけでなく、女帝のように感情を豊かにすることも必要なようです。

次回は『3.女帝/THE EMPRESS(エンプレス)』のカードです。

2. 女教皇(ハイプリエステス)の解説動画

Youtubeでも『女教皇(ハイプリエステス)』の解説をしています。
内容は基本的に同じです。

カード解説リンク一覧

大アルカナ

0.愚者1.魔術師2.女教皇3.女帝4.皇帝5.法王6.恋人7.戦車8.力9.隠者10.運命の輪11.正義12.吊るされた男13.死神14.節制15.悪魔16.塔17.星18.月19.太陽20.審判21.世界

小アルカナ

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