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タロットの書 叡智の78の段階【レビュー・感想】

タロットの書 叡智の78の段階/レイチェル・ポラック【レビュー・感想】

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今回は『タロットの書 叡智の78の段階』のレビュー・感想を書いてみました。

タロットの書 叡智の78の段階について

タロットの書 叡智の78の段階
タロットの書 叡智の78の段階
著者:レイチェル・ポラック
訳:伊泉 龍一
発行:フォーテュナ

著者のレイチェル・ポラックは、世界レベルで有名なアメリカのタロット占い師です。

現代のタロット・カードの解釈における世界的権威であり、ラスベガスのタロット認証委員会からタロット・グランド・マスターの称号を贈られている。
現代の古典ともいうべき、タロット・リーディングのバイブルとして世界中のタロット・リーダーに知られている本書を含め、タロットに関する多くの著書を出版。

本書の著者紹介の一部を抜粋。

Rachel Grace Pollack (born August 17, 1945) is an American science fiction author, comic book writer, and expert on divinatory tarot. Pollack is involved in the women’s spirituality movement.

日本語訳(ブラウザの翻訳機能を使用)
レイチェル・グレース・ポラック(1945年8月17日生まれ)は、アメリカのSF小説作家、コミック作家、そして神格タロットに関する専門家です。ポラックは女性の霊性運動に関与しています。

Rachel_Pollack – Wikipediaより引用

レイチェル・ポラックのタロット関連書籍は30冊以上あるそうですが、日本で発売されているのは、前回紹介した『タロットバイブル』と今回紹介する『タロットの書 叡智の78の段階』だけです。(2018年12月時点)

訳者あとがきによると、この『タロットの書 叡智の78の段階』は、レイチェル・ポラックのデビュー作だそうで、1980年と1983年に二部構成として出版されていたものを1998年に一冊にまとめられたそうです。
※ちなみに、日本で発売されたのは、前回紹介した『タロットバイブル』が発売されてから、約2年後の2014年です。

内容としては、大アルカナ、小アルカナ、リーディングの三部構成になっており、それぞれをいくつかの章ごとに分けて詳しく説明されています。

タロットカードをある程度理解している人にとっては、ぜひ読んで欲しい一冊なのですが、占い初心者にとっては、非常に難解な本で買って後悔する可能性も否めません。

多少なりとも、タロットや占星術、カバラ、神話などの予備知識が無いと、意味不明な一冊になる恐れがあります。
分からない部分が出てきたら、すぐに検索するくらいの気持ちが必要です。

また、翻訳にすごく苦労されたと思うのですが、残念ながら日本語としておかしい文章が所々にあります。(僕の感覚的に全体の1%くらいです。)

文字だけでは、『この文章の意味がわからない!』『何を言いたいかわからない』となる部分があるので、ある程度の雰囲気やニュアンスを感じ取って、読む必要がありました。

ですので、意味不明な言い回しやおかしな日本語などが気になる人には、あまりおススメできないです。
内容的には、それらを補って余りあるので、多少おかしな日本語が出てきても、翻訳大変だったんだろうな~と言う感じで、ぜひ読んで欲しいんですけどね。

タロットの書 叡智の78の段階の主な内容

1. 第一部 大アルカナ

大アルカナの22枚のカードが一枚ずつ、詳しく説明されています。
よくあるタロットの解説本のように、正位置、逆位置のキーワードの抜粋や羅列、サンプルリーディングはありません。

基本的には、カードに描かれている絵柄(寓意画)についての解説です。

『○○は××を意味します』といった単純なものでなく、その絵が何をモチーフに描かれたのか、他の物語(不思議の国のアリスやアーサー王伝説など)に置き換えての例えや説明、当時の歴史的背景、占星術やカバラ秘術などの別の占術、オカルトなどの関連事項などを交えながら、幅広い視点で解説されています。

ただし、カードの絵柄の解説がメインなので、逆位置としての解説は簡素なものが多いです。
正位置、逆位置と分けて考えるよりは、一枚のカードの説明として捉えた方が良いかと思います。

あと、大アルカナのカード解説に入る前の章で、愚者をのぞいた21枚のカードを、7枚ずつの3つのグループに分ける考えかたも説明されています。
この考えた方を取り入れているタロット占い師さんは多いので、知らない人にとっては良い勉強になるかと思います。

2. 第二部 小アルカナ

大アルカナと同じくカードの解説が中心で、正位置、逆位置のキーワードの抜粋や羅列、サンプルリーディングはありません。

小アルカナだけに限って言うと、この本よりも詳しく絵(寓意画)の解説がされている本を知りません。(他におススメの本があれば教えてください)

あと、小アルカナの解説に入る前のイントロダクションで、ウエイト版タロットデッキの考察やスートなどの説明があり、充実した内容となっています。

個人的には、小アルカナをきちんと理解する上で、無くてはならない一冊だと感じています。

3. 第三部 リーディング

リーディングに入る前のイントロダクション(主にタロット占いに対する考え方)が、イントロダクションと思えないくらいのページ数があり、一読の価値があります。

リーディングは、ケルト十字、ワーク・サイクル、生命の木、の3種類が紹介されていますが、どれも詳しく説明されており、ケルト十字の部分は初心者にもおススメできる内容です。
逆に、生命の木は難しく感じると思います。

最後の章では『タロットリーディングをどう活用していくか』と言う章題のもと、レイチェル・ポラック先生のお話しが書かれています。
このあたりは、占いに対しての考え方によって賛否は分かれるのかなと思います。

内容としては以上です。

タロットの書 叡智の78の段階の個人的な感想

タロットの書 叡智の78の段階
僕にとっては、ウエイト版タロットの理解を深める上で、2021年7月現在においては絶対に必要な一冊です。

上記の内容の部分にも書きましたが、小アルカナのカードの絵柄の解説においては、これ以上のモノに出会えていません。
この本を読むことで、他の書籍で埋まらなかった部分が、どんどん補完されていきました。

もちろん、この一冊だけではタロットカードの全てを理解できるわけではありませんが、タロットの知識を深めたいと考えている人にとっては、非常に役立つ一冊になると思います。

一応、欠点というか悪い部分を挙げるとすれば、説明過多な所かもしれません。
ぶっちゃけ、必要の無い説明や情報もあります。
不必要で多すぎる情報が、複雑さや難解さを増す原因となっていると思います。

以上、『タロットの書 叡智の78の段階/レイチェル・ポラック【レビュー・感想】』でした。

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