タロットの基礎知識

タロットの発展に影響を与えた5人のレジェンドとタロットの変遷

タロットの発展に影響を与えた5人のレジェンドとタロットの変遷

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今回は、ウエイト版タロットの産みの親である『アーサー・エドワード・ウエイト』や『パメラ・コールマン・スミス』などを筆頭に、タロットを本格的に勉強するなら、知っておきたい人たちをまとめてみました。

『クール・ド・ジェブラン』『エテイヤ』『エリファス・レヴィ』と言った名前を聞いた事がない人は、ちょっとこのページを読んでみる事をオススメします!

アーサー・エドワード・ウェイト

言わずと知れた*ウエイト版タロットの産みの親。

後述する『黄金の夜明け団』にあったタロットに着目し、独自のタロットカード(ウエイト版タロット)の設計を行った。
また、その解説書『タロット図解』 (Pictorial Key to the Tarot) の著者として超有名。

占い師のブログなどでは、敬意を込めて『ウエイト先生』と呼ばれたりもします。僕もそう呼んでる。

アーサー・エドワード・ウェイト(Arthur Edward Waite、1857年10月2日 – 1942年5月19日)は、隠秘学、秘教、魔術に関する多数の著書を執筆した文筆家。ウェイト版タロットの制作者として著名。隠秘学結社『黄金の夜明け団』等に所属していたが、儀式魔術からは距離を置いていた。

アーサー・エドワード・ウェイト – Wikipediaより引用

※ウエイト版タロットはロンドンのライダー社から発売されたので、ライダータロット、ライダー版、ライダーウエイトタロットなど、色々な呼称があります。

パメラ・コールマン・スミス

ウエイト版タロットの産みの親の一人で、ウエイト先生と肩を並べるタロット界の超有名人。
ウエイト先生が設計したタロットカードの絵を描いた人です。

パメラ・コールマン・スミス(Pamela Colman Smith、1878年2月16日 – 1951年9月18日)は、画家、イラストレーター、作家。ニックネームは『ピクシー』だった。スミスは、占いに使用するタロット・カードの一つ、『ウェイト=スミス・デッキ』(ライダー=ウェイト、あるいはライダー=ウェイト=スミス・デッキとも呼ばれる。)を、アーサー・エドワード・ウェイトのためにデザインしたことで最も有名である。

パメラ・コールマン・スミス – Wikipediaより引用

クール・ド・ジェブラン

18世紀のパリの考古学者でタロットカードの絵を見て、エジプト起源説を唱えた人。

タロットカードに古代エジプトの叡智が詰まっていると考え、1781年に著作『原始世界』の8巻に、そのことを書いたそうです。

クール・ド・ジェブランによると、タロットは古代エジプトの神官によって発明された本(トートの書)だったそうで、ある時、火災から逃れる為に、カードという形に変えて持ち出され、やがてヨーロッパに伝わったとのことです。

このタロットカードエジプト起源説は、後述するエテイヤと言うタロット占い師に大きな影響を与えます。

エテイヤ

18世紀のパリの占い師。

クール・ド・ジェブランが書いた原始世界8巻のタロットの記述に影響を受けて、タロットカードの占い本を出版。

また、その6年後に、エジプト起源説のタロットデッキ『エジプシャンタロット』を制作。

エテイヤは占い師としても、タロット占いの講師としても、カード販売と著作においても大成功を収めたそうです。

エテイヤは78枚の全てのカードに正位置と逆位置の意味を与え、十二星座や小アルカナに火水風地の要素を関連づけました。

この関連付けた要素は、黄金の夜明け団、ウエイト先生へと引き継がれていきます。

エリファス・レヴィ

クール・ド・ジェブランが書いた原始世界8巻のタロットの記述に影響を受けた、もう一人の人物。

エリファス・レヴィは、エテイヤとは別に生命の樹、カバラ思想やヘブライ語などをタロットカードに組み込みました。

この関連付けた要素もまた、黄金の夜明け団、ウエイト先生へと引き継がれていきます。

ちなみに、エリファス・レヴィは、お金儲けにはしったエテイヤが嫌いでした。

彼は、エテイヤが作ったエジプシャンタロットを、元々のタロットに戻そうとしましたが、世間ではエテイヤのエジプシャンタロットが主流のままだったそうです。

エリファス・レヴィ(Eliphas Levi、本名アルフォンス・ルイ・コンスタン (Alphonse Louis Constant)、1810年2月8日 – 1875年5月31日)は、フランス・パリ出身のロマン派詩人、隠秘学思想家。41歳の時に本名をヘブライ語風にした『エリファス・レヴィ』に改名し、隠秘学の著作を残した。

パリの小ロマン派の文芸サロンに出入りしていたが、後にカバラ、錬金術、ヘルメス学、キリスト教神秘主義などの研究を行い、近代ヨーロッパにおける魔術復興の象徴的存在となった。魔術は理性に基づいた合理的科学であると主張し、実際にはその教義体系は精密さを欠くものであったが、古代の密儀、タロット、儀式魔術(英語版)などのさまざまな伝統を『魔術』の名の下に総括しようとした。

エリファス・レヴィ – Wikipediaより引用

黄金の夜明け団(ゴールデンドーン)

ウエイト先生やパメラ女史が所属していたオカルト組織。
この組織が無ければ、ウエイト版タロットが生まれることはなかったと思います。

黄金の夜明け団(おうごんのよあけだん、The Hermetic Order of the Golden Dawn)は、19世紀末にイギリスで創設された隠秘学結社である。黄金の暁会、ゴールデンドーンなどとも訳され、GDと略される。現在の魔術の中心であるウイッカ・セレマ・テウルギア・スピリチュアルなどの儀式や概念に影響を与えた20世紀最大の西洋オカルト組織である。

黄金の夜明け団 – Wikipediaより引用

ウエイト先生は、黄金の夜明け団のタロット解釈をベースにしてタロットを制作しました。

黄金の夜明け団は、タロットに関してエテイヤとエリファス・レヴィの思想を引き継いでいます。
そのため、クールド・ジェブランに影響を受けた、エテイヤとエリファス・レヴィの二人が今のタロットの原型を作ったと言っても過言ではありません。

ざっくりしたタロット変遷の時系列

起源不明:概念として最古のタロットカード

1392年:記録上の最古のタロットカード『シャルル6世のタロット』

15世紀半ば:現存する最古のタロットカード『ヴィスコンティ・スフォルツァ版タロット』

1650年頃:マルセイユ版タロットカードの原型
↑この頃は、タロットが何に使われていたかは不明。ゲームや賭け事に使われていたとされる。この他にもいろいろなタロットがあったようです。

1781年:クール・ド・ジェブランが知人のタロットを見て閃き、エジプト起源説を唱えて原始世界8巻を出版。
エテイヤ、エリファス・レヴィの二人がクール・ド・ジェブランの影響を受ける。

エテイヤ、タロットカードの占い本を出す。売れる。儲ける。

1789年:エテイヤがエジプシャンタロットを発売。カードに十二星座や四元素、逆位置の解釈を組み込む。売れる。儲ける。流行る。

エリファス・レヴィ、エテイヤの金儲けを嫌う。
エテイヤのエジプシャンタロットを元のタロットに戻そうとするも、うまく行かず。

1856年:高等魔術の教理と祭儀を出版。独自にタロットの発展や理論解明に尽力し、カバラ思想やヘブライ語をタロットに組み込む。

1887年:黄金の夜明け団創立。
創設者は、ウィリアム・ロバート・ウッドマン、ウィリアム・ウィン・ウェストコット、マグレガー・メイザースの三人。

エテイヤやエリファス・レヴィのタロット、魔術理論などを受け継いでおり、タロットを発展させる。

1909年:ロンドンのライダー社から、黄金の夜明け団のメンバーであった、アーサー・エドワード・ウエイトとパメラ・コールマン・スミスにより制作された、ウエイト版タロットが発売される。

と言った感じです。

こうやってタロットの歴史を見ていくと、少しタロットの見え方が変わってきませんか?

タロット占いを本格的に学ぶ上で、彼らのことを知っておくと、星座や四元素、カバラ思想、逆位置の解釈など、後付だったことがわかります。

これらを知っておくことで、タロットの解釈の考え方が一つでは無いことが理解できると思います。
トリビア的な意味合いも強いですが、興味が出たならリンク先のwikipediaを読んでみてください!

以上、『タロットの発展に影響を与えた5人とタロットの変遷』でした。

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