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タロットカードには、正位置と逆位置と言うカードの向きがあります。
タロットカードを勉強し始めたばかりの人は、この逆位置の解釈(読み方や考え方)が難しいと感じる方もいるようです。
今回は、タロットカードの逆位置について、お話ししたいと思います。
逆位置とは?
タロットカードを展開する時(めくった時)に、描かれている寓意画が正しい向きで現れる事を『正位置』、逆さまの向きで現れる事を『逆位置』と言います。
例えば、上記の画像はタロットカード大アルカナ『0番/THE FOOL(愚者)』のカードですが、左が『正位置』で『冒険・自由』などの意味となり、右が『逆位置』で『無謀・準備不足』などの意味になります。
タロットカードは全部で78枚ありますが、ほとんどのカードでこのように、正位置と逆位置でカードが示唆する意味が変わると考えるのが一般的なタロット占いの方法です。
逆位置を採用しない占い師もいる?
実は、タロット占い師の中には、この『カードの逆位置』と言う考え方を採用しておらず、『正位置』『逆位置』問わず、カードが持つ本質的な意味だけを元に鑑定する方もいらっしゃいます。
『アレイスター・クロウリー』が完成させた下記の『トート・タロット』のように、そもそも『逆位置を採用していないタロットカードデッキ』もあります。
歴史を振り返ると、タロットカードの起源は諸説あり、発祥も含めて不明です。
初期のカードは、構成や枚数、用途も不明です。
そんな中、タロットカードは時代と国をまたぎながら、さまざな人の手によって占いのツールとして、発展や派生、進化を遂げてきました。
逆位置の解釈は、その発展の中で18世紀の占い師『エテイヤ』が組み込んだものとされています。
現在、タロットの完成形とも言える『ウェイト・タロット』には、逆位置の解釈だけでなく、神話や占星術、旧約聖書、カバラ思想など、色々な要素が組み込まれモチーフ化されていますが、それらも18世紀以降のカードの発展と共に受け継がれ、組み込まれたものです。
極端な話し、タロットカードは人の手によって色々と改変されてきたわけですから、現代のタロット占い師も自分の占いやすいようにタロットカードを作っても良いわけです。
そして、何よりタロット占いは、偶然出現したカードが示唆する内容・結果をもとに、特定の事柄や心情を占う『卜術』と呼ばれるカテゴリーに属する占い方法ですから、カードが逆を向くと言う偶然性を、どのように捉えるかも占い師次第と言うことになります。
逆位置を採用した方がいいの?
ここからは僕の個人的な見解です。
まず、逆位置をタロット占いに採用する採用しないは別にして、逆位置の読み方や考え方は理解しておくほうが良いと思います。
逆位置を『読まない』と『読めない』はその意味が全く違います。
逆位置の読み方を理解する事で、カード本来の持つ意味合いや正位置の理解が、さらに深まると思います。
ですから逆位置の勉強をしても決して損することはありません。
あと、いずれタロットカードを人に教えられるようになりたいと思っている方は、必ず逆位置の読み方はマスターするべきです。
逆位置を読めない人が、一般的なタロット講師として求められることは、まずありません。
次に本題の逆位置を採用するかしないかですが、僕自身、逆位置の採用不採用は、占い師が使用するタロットカードデッキに準ずるのが筋かなと思っています。
要は、そのタロットデッキが製作された際に、逆位置の解釈を考慮されているかどうかを基準にします。
逆位置の解釈ありきでカードが製作されているのに、利用しない意味がわかりませんし、逆位置の考え方を含まずに製作されたものに、余計なものをプラスするのも、違うと感じています。
ですので、タロットデッキの製作者の意志に合わせた使い方がベストかなと思っています。
具体的には、ウェイト・タロットの流れを強く受けているタロットデッキなら逆位置は採用すべきだし、マルセイユタロットやトート・タロットがベースになっているタロットデッキなら逆位置は採用すべきでないと考えます。
※あくまで個人的な意見です。
ちなみに僕は、ウェイト系のタロットデッキを使ってますので、逆位置の解釈を取り入れています。
あとは、逆位置を採用しない占い師さんに多いパターンとしては、『師匠(先生)が逆位置を採用していないから』と言うのもあるかと思います。
ただ、その場合は師匠がなぜ、逆位置を採用していないのかは理解しておいた方が良いと思います。
『古人の跡をもとめず、古人の求めたる所をもとめよ』ですね。
タロット占いだけでなく、師匠を持つ人、全てに言える言葉かと思います。
あと、超個人的ですが、タロットカードの発展の歴史の中で、先ほど名前の上げた『エテイヤ』『アレイスター・クロウリー』の他にも有名な人がたくさんいますので、その人達のタロット理論に心酔している場合は、その理論に従うのもアリかなと思います。
タロットカードの歴史を調べると、また違った視点でタロットカードが見えてくるので、少し歴史のお勉強をしてみるのもおすすめですよ。
結論としては、逆位置の採用不採用は自由でいいと思います。
欲を言えば、どっちもできるようになるのがベストです。
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逆位置の考え方とリーディングのコツ
まず、『逆位置は正位置の反対の意味』と考えている方がいますが、一度その考えは横に置いておきましょう。
カードによっては確かに正位置の反対の意味になるものがありますが、その考えをベースにするのはおススメできません。
先ほども書きましたが『0番/THE FOOL(愚者)』のカードです。
左が『正位置』、右が『逆位置』です。
正位置には、下記のような意味があります。
考えるよりもまずは行動、自由奔放、冒険、始まりのきっかけ、純粋、未経験、無邪気、天真爛漫、楽観的、型破り、奇想天外、頭を空っぽにする、こだわりを捨てる、ポジティブ、直感力が冴える、根拠の無い自信、自分を信じる事、など
逆位置を解釈する場合でも、まずはこれら正位置の解釈が基本となります。
なぜならカードの向きは変わっても、カードの本質や性質は変わらないからです。
基本的に逆位置の解釈は、正位置の解釈を下記の6パターンに当てはめて考えるとわかりやすいかと思います。
1. 正位置の意味が強く現れる
2. 正位置の意味が弱く現れる
3. 正位置の否定
4. ネガティブな部分がクローズアップ
5. 方向性がズレている
6. カードの下部の寓意が強調される
例えば、
1.の場合、正位置の『自由』の意味が強くなりすぎると『自分勝手』とか『わがまま』になります。
2.の場合、正位置の『ポジティブ』の意味が弱くなりすぎて、『悲観的』『自分の世界にこもる』になります。
以下も同様に、正位置の意味を軸にして考えます。
3. の場合なら『一歩が踏み出せない』『きっかけを逃す』
4. の場合なら『注意力散漫』『鈍感』
5. の場合なら『無謀なチャレンジ』『結果よりも行動を重視』
6. の場合なら『外の世界に飛び出せない』『ネガティブな事ばかり考える』
こんな感じで正位置の意味が下位互換(稀に上位互換)するイメージで見ていきます。
こうしてみると、『正位置の反対の意味』として考えるより、リーディングが柔軟になって広がりがあるように思いませんか?
もちろん場合によっては、6パターン全てに当てはめて考える事ができない場合もありますが、その場合は当てはめられるパターンのみで考えてOKです。
また、慣れないうちは6パターン全てに当てはめて考えるのが難しいと思うので、最初は1〜3だけを意識すれば良いと思います。
4〜6は、中級者を目指す段階くらいでチャレンジを始めればOKです。
あとは、正位置をどう解釈するかによって、逆位置の解釈も変わってくるので、まずはしっかり、自分なりの正位置のカード理解を深めると良いでしょう。
ちなみに、カードの解釈は正解が一つと言うわけではありませんので、自分の解釈が人と違っても大丈夫です。
僕自身の解釈の仕方も必ずしも他の占い師と同じと言うわけではありません。
一例として『15番/THE DEVIL(悪魔)』のカードは、一般的に正位置を『束縛』、逆位置を『解放』と解釈する事が多いですが、僕はこのカードの逆位置を『解放』とは解釈しません。
逆位置でこのカードを見た時に、どうしても『解放』されているイメージが湧かないんですよね。
どちらかと言うと『束縛している事に気づかない』とか『束縛されている事に気づかない』と言うような解釈をしています。
同様に他のカードでも自分なりの解釈をしているカードはたくさんあります。
みなさんも、書籍や他の占い師の解釈を無理やり覚えようとせず、自分がイメージしやすい解釈をすれば良いかと思います。
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展開したカードが全て逆位置の場合やりなおす?
複数枚使うスプレッドでタロットカードを展開した時に、その全てのカードが逆位置だった場合(もしくは半分以上など)、その鑑定をやり直すとか、全てを正位置にして考えるとか、占い師によって色々なやり方があります。
しかし、僕自身は全てのカードが逆位置で出る事にも意味はあると考えてますので、そのままリーディングします。
タロットカードの解釈は基本的に自由です。
書籍などでは、この方法が正しいと言い切るような書き方をしていますが、ほとんどのタロット占い師は自分の感じ方、捉え方を大事にすれば良いと考えていると思います。
慣れないうちは、書籍や他の占い師さんの解釈を参考にすれば良いと思いますが、経験を重ねるうちに自然と自分なりの解釈方法が生まれてきます。
逆位置の解釈が苦手だな~と感じる人は、まずはあまり難しく考えずに、自分がピンっときた解釈方法を試しながら、チャレンジしてもらえればと思います。
以上、『タロットカード逆位置の考え方とリーディングのコツ』でした。
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